そのメソッドで育った子どもは学力が高くなる、ということが人々に広く知れ渡り、
評価が高まることは、非常にわかりやすい形です。
たとえ真髄はそこではないとしても。
人はわかりやすい部分に安易に飛びついてしまう、という側面は
今もその当時も、あまり変わらないのかもしれません。
イタリアで初めての女医であったマリア・モンテッソーリ女史は、
医師から教育者へと変遷を遂げていくのですが、子どもの教育の原点は
施設で暮らしている親のいない子ども達であったということを
モンテッソーリ校の小学課程で学ぶ息子から聞きました。
担任の先生から聞いた話を、息子を通して教えてもらっています。
日本語の文献にも、施設で暮らす子どもへの教育と、
障がい児教育に関する記述があります。
なぜこの話になったのかというと、第二次世界大戦の時の話を
息子としていたんです。
どういう経緯で戦争の話になったのか・・・そこはうまく思い出せません。
「第二次世界大戦の時に、モンテッソーリさんはインドにいて、
終戦を迎えるまでイタリアには帰らなかったんだよねー」
という話を私がしました。
それは、日本語に翻訳された文献から得た知識からなのですが、
しかし息子の方が、遥かに詳細を知っていて驚きました。
「親のいない子ども達が施設で生活していて、
彼らは、なんかすごい、牢屋みたいなところで暮らしているんだけど・・・
でもそこでモンテッソーリメソッドで勉強しているから、
普通に勉強している子どもより賢くなってしまって
その時に、親のいない子どもを、頭がいいからそれを
戦争の時に利用することは出来ないかって考えた人達がいたんだ。
それで、マリアモンテッソーリは、子どもを戦争に利用させてはいけないって
断ったんだよね〜。
そしたら、イタリアに帰れなくなってしまったんだよ。
だからインドに居たんだ。戦争終わるまでずっと」
息子が通うモンテッソーリ校の先生達は、モンテッソーリ校でのアシスタントティーチャーを経て
その後アメリカで一年間のトレーニングを積み、それから正式に先生になります。
どの先生も、【子どもは平和の根源】というメッセージの本質をきちんと捉えて
子ども達に伝えてくださっていると感じます。
このエピソードを子ども達に伝えてくださった担任の先生が素晴らしいのと、
息子がちゃんと覚えていて、私に伝えてくれたことがうれしいです。
ちなみに、息子は「いい話を聞いてきたよー」というような身構えたふうではなく
たまたま思い出して、ついでのように母に話しただけなのですが。
モンテッソーリ教育における「子ども」とは
・子どもは独立した個人である
・子どもは平和の根源である
このように、掲げられたメッセージそのものはそれだけで素晴らしいです。
しかし、なぜそれを強く願い、守り通さなくてはならなかったのか
という部分において、その背景を知ることでより理解が深まるような気がします。
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