ぞうさん − 生きている詩

なつかしい童謡

イラストは和田誠さん

ぞうさん ぞうさん おはながながいのね
そうよ かあさんも ながいのよ

この歌は誰でも知っている童謡ですが、誰が作った曲なのかを
みんながみんな、知っているわけではありません。

うたのほん
「いちねんせいに なったら」(株式会社 理論社 発行)のあとがきには
みんなが知っている「ぞうさん」の曲がどのように生まれ、いまの形になったのか、その経緯が記載されています。

その中から、一部抜粋します。
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「ぞうさん」は1952年春ごろ、音感教育家の酒田冨治氏に求められ、氏の作曲で一度発表されます。その作品を見た先輩詩人の佐藤義美氏がNHKに持ち込み、団伊玖磨氏によって作曲され、同年12月22日に初放送になりました。
その際、佐藤氏が第一連の「おはながながいね」を「おはながながいのね」と改稿しました。しかし、この作品はこのまま定稿としています。
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1992年の秋に、まど・みちおさんは82歳で「まど・みちお全詩集」を出版されました。
まどさんは生涯現役の詩人であり、既に発表した作品にも、推敲を重ねていたということです。推敲を重ねることにより、詩が完成に近づいていく、という側面と、作曲家の手になる詩を歌にするための補作が行われていったという二つの側面から、まどさんの詩は生まれ変わっていったということです。

ぞうさんは、オリジナルのそのままの童謡だと思っていたので
うたのほんのあとがきを読むまでは、全く知らなかったお話です。

まどさんは100歳を超える年齢まで詩人でいらっしゃいました。
同じようにまどさんから生まれた詩は、推敲によって常に生まれ変わっていく。詩は、本当に生きているのだなぁと、思いました。

その詩が持っている生命力をきちんと感じながら
歌っていけるようになりたいと思いました。

まど・みちおさんの小さな子ども向けの絵本「ママだいすき」
この絵本は0歳から読んであげられる絵本です。
息子が赤ちゃんだった時に読んであげたことを懐かしく思い出します。
もう息子には必要なくなってしまったけれど、母である私の方が
手放すことができなくなっています。
この絵本も、ちょうど表紙がゾウさんの親子ですね!

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