びわ ー ろばさんのおみみ みたいな

なつかしい童謡

びわは やさしいきのみだから
だっこしあって うれている
うすい にじあるろばさんの
おみみみたいな はのかげに

この詩に出会った時、すぐには情景は思い浮かびませんでした。

びわの木がおうちの庭にあるという方に、びわの様子を教えていただきました。

「たしかにビワは兄弟で抱っこし合って房になって実を付けていますね。
ビワは真冬に花を咲かせます。
受粉した実が(約1cm)まだ青いです。 
黄色く色付くのは6月頃でしょう。
新芽が出て葉が開き始めてます。今がbestです。
そうそう山羊さんやロバさんの耳の形です。

新芽から芽吹いた葉は白い産毛に囲まれて白っぽいです」

このお話をうかがったのが、4月頃のことでした。

新芽から芽吹いた、白い産毛に囲まれた葉っぱ
まど・みちおさんの詩にぴったりのお写真を撮っていただきました。
本当に、ろばさんや、やぎさんのおみみのようです!
白い産毛の感じが。
これは新芽から芽吹いたばかりの、とても小さな葉っぱで

接写したからこその、この写真なのです。

もうひとつ、詩の中で気になることで、
「うすいにじある」とは

どのような感じなのでしょうか。

私が真っ先に思ったことは
太陽の光があたって血管が透けてみえる時、
ろばの耳が虹のような色合いになっている
というイメージでした。
もうひとつは
芽吹いたばかりの新芽、白い産毛に囲まれている小さな葉っぱに
朝露などの、水滴がついた時
そこに光があたって、虹が見えている

というもの。

この描写をどう解釈するかということについて
色々調べてみたものの、私は正解は見つけられていないのですが
「びわの葉」と「ろばの耳」について
まるで謎解きのように考えてみたり
わかった〜!!となった時の感覚は、まるで子どもの頃に戻ったかのようなわくわく気分でした。
小さいものを、ずーっとずーっと小さな変化も見逃さずに
ちゃんと見つめていないと気づけないような、
そんな描写です。
子どもだったら、そんな風に見えるのかもしれない。
子どもの眼差しとハートをそのままに、詩人になられたんだなぁ
そんなことを考えました。
まど・みちおさんの小さなものに対する優しい眼差しと
その言葉の選び方は、本当に素晴らしいです!

たくさんの素敵な詩を残され、童謡になっている作品もたくさんあります。

これからも少しずつ、まど・みちおさんの作品を
ご紹介していきたいと思います。

使用した楽譜はこちらです。
子どもと歌おう(カワイ出版)

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