「夢の世界を」同声二部合唱で歌うための練習動画を出しました。
この曲は、かつて混声三部合唱で、中学校音楽の教科書にも掲載され、
長く歌われていたすてきな曲なのですが、
少し前から、小学生の音楽の副教材「うたはともだち」に掲載されるようになり
2020年の教科書改訂のタイミングで、5年生の教科書に掲載されました。
ソプラノとアルトの2声に分かれて合唱します。
作詞 芙龍明子 さん
作曲 橋本祥路 さん
橋本祥路さんは、「明日という大空」という合唱曲も作曲された方です。
こちらもすごく人気がありますよね。
どちらの曲も、ピアノ伴奏に特徴があるなと感じました。
8分の6拍子の曲の特徴をつかむ
「夢の世界を」は、中学校のクラス合唱曲の代表曲のひとつでしたが
小学校の音楽で取り上げられるようになってきたことで
若い感性のうちに8分の6拍子のノリをうまく掴んで、歌ってほしいなと思います。
前半は、ピアノが流れるように弾くことが大切になります。
8分の6拍子を、ピアノでうまく表現するのって難しいですよね?
どのように工夫されているのか、伴奏者になってしまった方に
いろんなお話聞いてみたいです。
流れるように、を意識するとどんどんテンポが速くなってしまいそう。
「ほほえみ」「かわして」「かたーーーりあい」
「おちばを」「ふんで」「あーるいーたね」というように
歌は、言葉のひとつひとつが8分音符にうまく乗るように
そこに抑揚をつけて表現していきたい、という思いがある時に
ピアノはどんな8分の6拍子の表現が合うのでしょうか。
うたは、休符が全然なくて、ずっと休みなくて
だけど息継ぎしなくちゃいけないんだよね💦
呼吸を感じてあげる伴奏をしなくちゃいけないんです。
ほんとすてきな曲!
だけど伴奏者は、ちょっとのニュアンスが難しくて
あーでもない、こーでもない、になってしまったり・・・。
教育芸術社のwebサイトに模範演奏(混声三部合唱のものです)がありました。
48秒間の演奏です。
https://www.kyogei.co.jp/chorus/yumenosekaiwo.html
前奏が、新しいアレンジになっています。
キミウタに掲載されている楽譜が、webサイトの方で演奏されているものです。
混声合唱用の楽譜の、ピアノアレンジが新しくなったということです。
歌はともだち指導用伴奏集には
従来通りの伴奏が掲載されており、私はこちらを使用しました。
8分の6拍子のテンポが速い場合、歌う時に大変なことは
語尾が忙しくて、ぶつぶつ切れそうになること
息継ぎすることを、伴奏者さんにちゃんと考えてもらって
それで伴奏を弾いてもらうことかなと思います。
6拍目から、次の1拍目に移る時の、ほんの少しのニュアンスを
呼吸を待ってあげて、それから音楽を前に進めてあげる(語彙力・・・)
というような、感覚です。
私は、自分が学生時代にこの曲に出会って、この曲で初めて
8分の6拍子とは、流れるようにとは、
息継ぎのことを考えてあげる伴奏とは、
ということを、考えました。👈伴奏者のがんばる部分
私は伴奏をどうしたらいいのか、
どんなふうに弾いたら音楽的になるのかな、
それでみんなが歌いやすくなるのかな💦と
すごく悩み苦しんだような気がします(笑)。
「ほほえみ」「かわして」「かたーーーり あい」
「おちばを」「ふんで」「あーるいーたね」
ほほえみ、でひとまとまり
かたーーーり あい、でひとまとまり
それで、かたーーーりの、のばす部分が盛り上がるよね
さらに、いつも気をつけたいのが語尾です。
語尾をぶつぶつ無造作に切らないようにして
この曲は表現したい感じです。
と言いつつ、私が歌った録音は、語尾が無造作になっています😂
ひとりでは、うまく表現できないかもしれないけど
みんなで少しずつ気をつけると、全体での音楽はすごく変わってきます。
それが合唱のすごいところ。
ひとりでは出来ないのに、みんなでほんのちょっとやるだけで、ガラッと変わるんですよね。
前半の言葉のニュアンス表現は、ふくらますところと、終わり方、語尾の処理
そこを気をつけて歌えたらいいと思います。👈歌い手さんのがんばる部分
「さあ でかけよう」からは、音楽が変わりますよね。
その1小節前のピアノの
ジャン ジャジャン ジャンジャンジャン♪が合図で
視界がぱあっと開けたような感じになり、
力がみなぎってきて、気持ちがあふれてきます。
「おもいでの」「あふれる」「みちーをかけぬけ」
というように、音楽も駆け抜けるように躍動感があふれてきます。
この、高まりを表す時に
「さあ でかけよう」
さあ!って、ちょっと、おいっw
と私は思いました。
歌われている皆さんは、どうでしょうか?
子音のSって、スカスカになりますよね。
気持ちの高まりを表したいのに、気持ちと実際に発せられる音にギャップが生まれやすいです。
結構悩みました。。。
私が、美声ではないからこんなひどい表現になるのかなとか
だんだん落ち込みそうになりつつも
気をつけるのはSなんじゃないかな?と思い、
SSSSSaaaaAAAAAA
SSSSSSああああああ でかけよう、みたいな
Sの子音を、準備を早くして長めに発音します。
その時、Sの子音をいう時、ちゃんと息を使って押し出していく
押し出していくSがあって、息がもう流れているという状態で
あああ と歌うんです。
そうすると、ようやく
「さあ でかけよう」という気持ちの高まりと
音楽の高まりが一致するような気がしました。
なんだかんだ、いろんな要素がてんこ盛りで
難しいうたですよね💦
同声二部合唱のアルトパートのみを歌った練習動画も作成いたしました。
このアルトパートを歌う世代の5年生たちは、中学生になった時には
「夢の世界を」を歌わないのでしょうか。
同声二部合唱でアルトを経験したのちに、混声三部合唱でもう一回違うアレンジを
覚え直すというのは、なかなか大変な気がします。
教科書が変わって、もっと違う曲が新しく入ってきたのかなとも思います。
クラス合唱用の音楽が、日本にはとてもたくさんありますよね。
クラスみんなで歌う合唱。
それに特化した曲が数多くあるって、日本の特徴なんじゃないでしょうか。
合唱って、そもそもの出発点は教会の音楽だったりします。
だから宗教と密接に関わりあっているという国が多かったり
そういう発展を遂げてきていたりすると思うんです。
教会音楽にも素晴らしい曲はたくさんありますし
それらを勉強したこともあります
(クリスチャンではないので、音楽の表現として勉強しました)
日本の学生さんが、自分の感性に響くものを
クラスのみんなで作り上げていくことができるというのは
本当に素晴らしいことで、
たくさんのいろんな曲にチャレンジしてほしいなと思います。
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