いぬのおまわりさん(曲の解釈について)

なつかしい童謡

いぬのおまわりさんは、令和時代を迎えた現代においても
お子さんたちに大変人気のある曲です。
お母さんやお父さんが子どもの頃にも、歌ったり聴いたりした曲で
この作品が作られたのは、昭和30年代に遡ります。

作詞のさとうよしみさんは大正時代に生まれた詩人であり、
童謡作家です。しかし作品に古臭さは感じられません。

ところで、この曲は
歌詞だけ読むと、はっきり言ってどうしようもないのですが・・・
本当に、ただ歌詞だけ読むと、え?それで〜?という感じですね💦
まいごのこねこは自分の名前もおうちも、何も言えずにないている
いぬのおまわりさんも困ってしまってワンワンないている

この歌をお子さんと歌うときにぜひ取り上げて欲しい話題は
もし、あなたが、ひとりではぐれてしまって、
迷子になっちゃったら、そんな時はどうしようか?
このねこちゃんみたいに、ただ泣いているだけでいいのかな?
ということだと思うんです。

歌詞に書いてませんけれども、書かれていない部分が大事で
これは、「どうぞみなさん考えてくださいね
というメッセージをこの作品に込めている、と考えることが
出来るような気がします。

誰かにこうですよと教えられたことや、目に見えているわかりやすい部分
というのがまずありますが、しかし本当に大切なことというのは、
そのわかりやすい部分を飛び越えて、さらにもっと深い部分にあります。
この曲が作られた時代、私はまだ生まれていないのですが
音楽自体もとても完成度が高いですし、当時の作詞家、作曲家の先生方の
童謡に込められた想いなどを文章で読むと、とても考え方が成熟しています。
子どもという存在を年齢が小さいといえども、人として尊重し、
同じように人権のある等しい存在として考え、
その子どもたちに対して提供したいものがとことん考え抜かれていて、
とても深いということがわかります。
私はそこに、いつも感動してしまいます。

この曲は、作曲家の大中 恩先生によるとても印象的な楽曲となりました。
ピアノ伴奏で演奏するものが、オリジナルの形だと思います。
昭和37年初版の「現代子どもの歌 名曲全集」に掲載されており、
その後、様々な形でアレンジされ、幼児向けテレビ番組や
幼稚園、保育園などでも、時代を超えて歌われてきました。

大中先生は、童謡といえども、子どもだましのような音楽は作らない
とおっしゃっていましたので
オリジナルのピアノ伴奏は、前奏や間奏、後奏で同じテーマの繰り返しがあり
とても印象に残るフレーズなのですが、少々弾きにくい音型です。
保育士さんを目指している学生さんなどで、この伴奏に苦戦されている方も
いらっしゃるんじゃないかなと思います。
少し弾きにくいけど、だからこそ記憶にしっかり残る音楽になっています。
実はちょっと、私も指がコケそうになった経験が💦
でもそれより、表現したい気持ちがまさるんです。
音楽が、やりたい気持ちの背中を押してくれるような素晴らしさなのですよね。

繰り返し出てくる、コレだな!!
保育実習などで、たくさんの子どもの前で弾くと、いっぱい練習したのにコケそうになるコレ🤣

曲の盛り上がり部分においては、ねこやいぬの声が出てきます。
お子さんたち、ここを歌うのがきっと大好きですよね❣️

ニャン ニャン ニャン ニャン 

ワン ワン ワン ワーン 

メロディーの形は一緒ですが、詩におけるなき声の表記は違います。
さとうよしみさんは、こねこといぬのなき声を違う形にしています。

こねこちゃんは迷子になって
ニャン ニャン ニャン ニャン ・・・と泣いている。
だけど、いぬのおまわりさんは
ワン ワン ワン ワーン  と鳴く、のではないでしょうか。
この、最後のワーンは、私は、これは遠吠えだと思いました。
SOSをするための遠吠えなんじゃないかな?と💡
動画の中で、イラストを自在に動かす技術がないので
Japanese Kids Songsのムービーでも、その部分においては
イラストでは表現しきれていません。
いぬのおまわりさんは、こまったとは書いてあるけど
一緒になって泣いた、とは書いてません!
ちょっとそれー、どこにも書いてませんがー(笑)
そういう解釈の動画が、すごくたくさん存在していました。


この曲を、幼稚園や保育園で取り上げて歌う時に
元気いっぱい楽しく歌おう♪とか
目標を掲げて、一生懸命に取り組まれると思うんですが
・もしまいごになったら、自分はどうしたらいいのかな?
・いぬのおまわりさんという詩は、どんな場面を表しているのかな?
・このおうたで、あなたはどんなことを感じたかな?
  ほかのお友達は、どんなことを考えたのか、お話聞けるかな?
という部分を大事にして
ぜひお子さんたちと一緒に、歌う活動と一緒に
掘り下げていってほしいなと思います。

ショッピングモールなどで迷子になったときには
自分のお名前、何歳なのか、など
言えるようになっていれたら、お店の人も協力して
おうちの人を探してくれるんだよ、というようなお話が出来ると
よいですよね。

動画のラスト(歌は終わっていて後奏のピアノ部分です)では、
飼い主がやってきて、こねこちゃんが気づいて喜んでいる
という場面を挿入しました。
これは、Japanese Kids Songsでの解釈です。
ネットでググってもいないし、文献なども探していません。
オススメ動画のお知らせがイラストにかぶってきて、
ほとんど見えなくなっています。
ほとんど見えなくてよい部分で、見せようと思って作りませんでした。
しかし見えてなくても、とてもこだわって作った場面です。
そして、本当に考え抜いた場面なのですが
だからと言ってこれが正解ということでもないんです。

曲のラスト。
この形で終わってるってことは、「ちゃん ちゃん♪」なんだと思う。
♪ラ⤵️ レで、音型が下がってるから、ホッとして、ちょっと脱力・・・みたいな感じとか。

こねこちゃんには、ああ、よかったね〜といってあげたかったので。
だからJapanese Kids Songsのムービーはそうしました。
泣いたまんま、終わってないと思います。音楽はそう語っていないですよね?

ちゃん ちゃん♪

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